心身ともに健康であるためには睡眠は欠かすことができません。そして質の良い睡眠をとるために重要なポイントとなるのが入浴です。入浴することは身体をきれいにするだけではなく、リラックス作用により精神を安定させてくれるという効果もあります。そこで快眠に効果的な入浴についてご紹介します。
入浴後は、睡眠に絶好のタイミング
入浴が睡眠に良いといわれている理由に大きな関わりを持っているのが体温です。入浴をすると身体が温まり、深部体温と呼ばれる身体の内部の温度が上昇します。そして、入浴が終了すると温まった身体が冷えて急激に体温が下がるのです。通常、身体は目覚めると活動に向けて深部体温を上げ、眠るときには疲れを取るために熱を下げることで休ませようとする性質があります。このため、深部体温が早くしっかりと下がるほど寝つきが良くなるといわれているのです。入浴後の湯冷めは温まった身体を急激に冷やす状態をいいます。このため、湯冷めをすることで身体に睡眠を促す効果が期待できるのです。
シャワーでは睡眠作用がない?!入浴しないデメリット
時間がない、暑い、めんどくさいなどの理由でつい入浴をせずにシャワーだけで済ませてしまうという人も多いと思います。しかし、シャワーだけでは入浴で得られる睡眠促進の効果は期待できません。これは深部体温を十分に上げることができないからです。
寝つきの良い睡眠は温められた深部体温が急激に下がることで促されます。このため、深部体温が上昇しにくいシャワーでは効果が薄れてしまうのです。また、体温は身体の内側から熱が放熱されることで下がります。体内で発生した熱を外へ放つためには身体の温度調整をするために収縮する血管が開ききらなければいけません。それがシャワーだけだと放熱がうまくできず体温が下がらないことで寝つきにくい状態になります。
また、シャワーだけで毎日の入浴をすませることは睡眠だけではなく、疲れを十分に取ることができないというデメリットも生じさせます。身体の疲れは筋肉が凝り固まり、血行が悪くなって、酸素や必要な栄養が全身に行きわたらなくなることによって起こります。シャワーだけでは身体の芯までしっかりと温めることができず、疲れがとれないということにも繋がっていくのです。
入浴中の睡眠は、絶対に注意!
入浴によりリラックスして、ついウトウトとしてしまったという経験をお持ちの方もいるかもしれません。しかし、入浴中の睡眠は死に至ることもある危険な行為です。
入浴により体が温まると血管が拡張します。血管が拡張すると血圧は下がりますが、それにより脳へ行き届く血液の量が不足し十分な酸素が行きわたらなくなります。このような現象が原因となる入浴中の睡眠は、脳の酸欠による失神に近い状態となってしまいます。場合によっては、そのまま意識障害が生じ浴槽に沈んで溺れてしまうケースもあるのです。入浴中の睡眠を避けるためには、リラックス状態が深まりやすい食事直後や血圧が一時的に下がる飲酒直後に入ることは絶対に避けるようにするべきです。
Raycop 5way Stick Cleaner - AIR
ぐっすり眠るための入浴ポイントとは
良い睡眠を促すために大切なポイントとなるのが身体を温めるということです。
しかし身体を温めるためとはいえ、過度に熱いお湯に浸かってしまうと身体が興奮状態になり眠りに付きにくくなってしまうことがあります。これは熱いお湯が交感神経に刺激を与えるからです。交感神経が刺激を感じると血管が収縮し血圧が上昇します。血圧の上昇は心拍数を増やすため興奮状態となるのです。
快眠のための入浴ではぬるめのお湯に入ることがポイントとなります。ぬるいお湯に入ると副交感神経の働きが活発になります。副交感神経が優位に働くことで血圧が下がり、心拍数が急激に上がることもなく体がリラックス状態になるからです。ぬるめのお湯とは38度から40度くらいをいいます。38度以下だと深部体温と変わりのない温度となるため、体を温める効果に期待が持てません。深部体温を上げるためには最低でも10分以上湯船に入ることが必要です。
逆に長く入りすぎるとお湯の温度の低下とともに深部体温も下がってしまい効果が薄れてしまいます。お湯の温度を適温で準備しておくだけではなく、湯船に浸かっている時間にも注意するようにしましょう。
日々の入浴は、お湯の温度や入浴時間、入浴するタイミング、入浴後の過ごし方に気を付けることで、質の良い睡眠を取ることができるようになります。心身ともにリラックスさせてくれる入浴で毎日の睡眠の質を良くして健康的に元気に過ごしましょう。
_____________________________________________________________
この先生が監修しました。
Michael Lee(マイケル·リー)
若々しく力強い生き方の専門家
米国Duke大学卒業
大学病院で医師として様々なライフスタイルの患者を治療
Johnson & JohnsonでPMとして医薬品開発に参加
レイコップ株式会社で代表開発者としてQuality of Lifeに関連した製品を開発_____________________________________________________________