■寝床につく前の1時間は画面を見ない
青色は晴れた日中の空の色です。私たちの脳は、青色を見ると「今は昼だから目覚めていよう」と判断します。昔は、夜に青い光を見ることはあまりありませんでした。ところが、今の夜は青い光に満ちあふれています。テレビやパソコン、モバイル端末、ゲーム機、スマートフォン、携帯電話などのディスプレイ画面から、青い光「ブルーライト」がたくさん出ているのです。
私たちが夜に眠くなるのは、睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」が、夕方~夜に増えてくるからです。しかし、夜にブルーライトを見ると、脳が「今は昼だ」と勘違いして、メラトニンを減らしてしまいます。その結果、寝つきが悪くなったり、睡眠が浅くなったりします。
ブルーライトは、「黄斑変性症」という失明にいたることがある目の病気や眼精疲労、目の痛みなどの原因にもなります。さらに、肥満やがん、精神障害との関係も疑われています。
ブルーライトによる睡眠への悪影響をなくすためには、眠る前の1時間はディスプレイ画面を見ないことが大切です。パソコンやスマートフォンを扱う時間を夜から朝に変えれば、夜はグッスリ眠れるうえに目覚めはスッキリして一石二鳥です。
どうしても眠る前にディスプレイ画面を見なければいけないのなら、ブルーライトをカットするメガネやシートを使いましょう。
■寝室を豆電球以下の暗さにして眠る
眠るときに、照明をすべて消していますか? それとも、明かりをつけたまま眠っていますか? 暗闇が気にならない人は、照明をすべて消して眠っても問題はありません。暗闇が苦手な方は、真っ暗にすると不安などで睡眠の質が悪くなるため、暗めの照明をつけておいた方がよく眠れます。
では、どのくらいの明るさまでなら、睡眠に悪影響が出ないのでしょうか? 奈良県立医大が行った「平城京スタディ」によると、寝室の明るさが4ルクスを超えると、睡眠に悪影響が出ました。ちなみに、天井にある豆電球をつけておくと、ベッド上で約4ルクスとなります。
暗闇が苦手な人は、シーリングライトの豆電球か、豆電球程度のフットライトをつけておくと、安心して眠れそうです。夜中にトイレへ起きる人も、転ばないようにするために、豆電球をつけておきましょう。
■朝は起きたらしっかり光を浴びる
夏は目覚まし時計のアラームが鳴る前に起きたり、逆に冬には予定より寝過ごしたりすることがありませんか? これには、起きる前の周囲の明るさが関係しています。朝は暗い状態で目覚めるよりも、起きる時刻の30分前から次第に明るくなる方が、目覚めやすいことが知られています。これは、眠っていても明るさを感じ取って、身体が起きる準備をしているためと考えられます。
実際、起きたい時刻の少し前からだんだん明るくなる、という機能を持ったシーリングライトが売られています。機会があれば、買ってみるのも良いでしょう。防犯上に問題がなければ、眠る前に少しカーテンを開けておくと、朝には寝室が明るくなるので目覚めやすくなります。
目が覚めたらすぐに、照明をつけてカーテンもあけましょう。強い光を浴びると、睡眠ホルモンのメラトニンが少なくなって、眠気も減っていきます。1日24時間より少し長い周期で回っている「体内時計」も、朝の光でリセットされて新しい1日が始まります。体内時計が狂ってくると体調が悪くなるので、朝の光はとても大切です。
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この先生が監修しました。
Michael Lee(マイケル·リー)
若々しく力強い生き方の専門家
米国Duke大学卒業
大学病院で医師として様々なライフスタイルの患者を治療
Johnson & JohnsonでPMとして医薬品開発に参加
レイコップ株式会社で代表開発者としてQuality of Lifeに関連した製品を開発_____________________________________________________________